| 平搏羊角看逍遥 袖拂虹岡万里橋 地湧祥雲紅鶴舞 |
| 天開瑞雨白龍朝 三呑香溢琪山鉢 九奏風生玉陛韶 |
| 一種銀家堆紫霧 笑称秦女和蕭簫 |
| 【読み】 |
| 羊角を平搏(へいはく)して逍遥を看(み)る 袖を払えば虹岡 |
| (こうこう)の万里橋 地に祥雲 湧いて紅鶴舞い 天は瑞雨を開き |
| 白龍 朝(ちょう)ず 三度琪山(きざん)の鉢に溢れる香を呑み |
| 九奏すれば風は生ず玉陛の韶(しょう) 一種の銀家 紫霧 |
| 堆(うずたか)し 笑称す 秦女 蕭簫(しょうしょう)に和するを |
| 【意味】 |
| つむじ風と闘い精神の自由をとりもどした。袖を払えば虹の |
| かかる山に万里にわたる橋が見える。地上にはめでたい雲 |
| が生じて丹頂の鶴が舞い、天上からめでたい雨を降らせて |
| 白龍が現れた。三度、美しい山の鉢に溢れる香を吸い込み、 |
| 九つの楽曲が奏でられるなか、風が生じて 宮中の音楽が |
| より魅力的になる。ある意味、銀の家に紫の霧がかかるような |
| もの。褒め称えよう、秦王の娘弄玉(ろうぎょく)が美しい笛の音 |
| をまねて鳳凰の鳴声を出せるようになったのを |
| |
| *羊角…つむじ風(俗世の困難や葛藤を象徴?) *平搏…平らげ抑えること? |
| *逍遥…俗世に束縛されない精神の自由? *玉陛…美しい階段、転じて宮中 |
| *韶…伝説上の天子舜が作ったといわれる楽曲 *秦女…秦王の娘弄玉。簫を |
| 吹くことが巧みで、仙人簫史に簫を学ぶうちに鳳凰の声をまねてだせるように |
| なり、弄玉が吹くと鳳凰が飛来するようになったという。 |
| 【出典:玉海詩(明・徹鑒堂)】 |