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月間教育書道誌「芦辺」
芦辺月例課題(令和5年9月号課題)
初級【漢字二体】
楷書 行書
 月白風清(つきしろくかぜきよし)     
月白は白く美しく輝く月。「風清」は涼しくさっぱりとした秋の風。秋夜の形容。
               【出典:後赤壁賦・蘇軾(北宋)    
 
上級【漢字二体】
行書 草書
露従今夜白(つゆはこんやよりしろし)    
今夜から白露の時節
【出典:月夜憶舎弟(杜甫・盛唐)】 
 
 
【細字】
 
 
【臨書】
楷書 隷書
多宝塔碑(顔真卿     曹全碑(後漢)   
       
講法頓収珎蔵
読み:ほうをこうず。にわかにちん 
    ぞうをおさむるは・・・
法華経を講じた。すぐに妙典を収め
たのは・・・
*妙典…法華経の別の略称
  西部都尉祖父
読み:せいぶといたり。そふ・・・
西部都尉となった。祖父・・
    
*都尉…秦、漢の官職名。郡の軍事を
    掌る
 
 
 
 
     
     
     
 
師範【漢字二体】
行書 草書
新月始澄秋(しんげつはじめてあきにすむ)
秋になって始めての三日月が澄んだ光を放っている
                
                   【出典:他郷七夕・(孟浩然・盛唐) 
 
 
     
     
   
【条幅】 一般課題

  
千山落日淡高旻 万里秋風促去輪 自是聖朝無闕事 
何妨天末有孤臣 霜侵列戍笳聲急 雲捲平沙月影新         
我亦梧桐花下客 至今魂夢愧斯人                      
 
【読み】
千山落日 高旻(こうびん) 淡く 万里秋風 去輪(きょりん)を
促(うなが)す 自(みずか)ら是 聖朝(せいちょう)闕事(けつじ)
無く なんぞ妨げん 天末 孤臣(こしん)有り 霜は列戍(れつじゅ)
を侵して笳聲(かせい)急に 雲は平沙を捲いて月影 新たなり 
我 亦(また)梧桐花下の客 今に至るまで魂夢 斯(こ)の人に恥ず
 
【意味】
山々に夕陽が射して青空は高く、遠く吹き寄せる秋風は、旅立つ
車をうながすようである。平和な御代で天子の失政はないが、 
どうして見捨てられて辺地へ流されてしまうのだろう。多くの砦
に霜が降りて、しきりにあし笛の音が聞こえ雲の間からのぞく
新月が砂漠を照らしている。君と同じく私も梧桐花の下の旅人で
あるが、今に至るまで夢の中でこの人に恥ずかしく思っている。
(風流人としてはこの人(季天中)には及ばないということ)
 
*高旻…高い空  *去輪…去り行く車 
*聖朝…朝廷の尊称。今の御代。 *闕事…欠けたこと 
*天末…天の果て *孤臣…君主に見捨てられた臣 
*列戍…多くのとりで *あし笛の音    
*平沙…平らで広い砂漠 *魂夢…夢。魂のみる夢。
 
    出典:送季天中秋日東行(張文光・清)】
   
     師範課題
     
秦時樓堞漢家營 匹馬高秋撫舊城 鞭石千峯上雲           
連天萬里壓幽並 東窮碧海羣山立 西帶黃河落日明
且勿胡論功績 英雄造事令人驚
【読み】
秦時の樓堞(ろうちょう)漢家の營(えい)  匹馬高秋(こうしゅう)
旧城を撫(な)でる 石を鞭(むちう)って千峯 雲漢に上る 天に 
連なる萬里 幽並(ゆうへい)を圧す 東は碧海を窮(きわ)め
群山 立ち 西は黄河を帯び落日明らかなり 且つは胡を
卻(しりぞ)ける功績を論ずる勿(なか)れ 英雄 事を造(な)す  
人をして驚かしむ
 
【意味】
秦が全土を統一して長城を築き、漢朝もここに砦を築き兵を
配置して守った。秋たけなわのころ、私は単身 馬に騎って
八達嶺城関にきて、国土を一望した巨大な石を鞭で打ち、
千の峰に乗せ、大空に追い込み長城を造ったという。天に
連なる万里の長城は幽州と並州を威圧しているようにみえる。
東には青い海に囲まれた山々がそびえ立ち、西には黄河の
流れに夕陽が輝く。万里の長城の胡を退けた功績だけを論じ 
ないでほしい。これを築いた英雄こそ人を驚かせたのである。
(万里の長城の胡を退けた功績より、これを築いた英雄の
功績のほうが大きいことを言っている) 
 
*樓堞…長城 *漢家…漢朝 *舊城…八達嶺城関 
*高秋…晴れ渡って空の高く見える秋。秋たけなわの季節。
*鞭石…晉伏琛の『三齊略記』に「始皇帝は日の出る場所を見るために
海を渡る石橋を作った。 その時、神が現れて石を海に導くことができた
のだと。石が十分に進まないと、神が石を鞭で打つので、石はみな血を 
流し、今も赤く残っている」とある。ここではその古事を引用している。 
神は無数の石を鞭で千の峰の頂に追いやり、まっすぐ天に導いたようだ。  
*幽並…幽州と並(并)州 *且…今のところ。今は。ひとまず。 
*造事…万里の長城を築いたこと
 
 【出典】登萬里長城(清・康有為)
  
 
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