| 人家星散水中央 十里芹羮菰飯香 |
| 想得薫風端午後 荷花世界柳絲郷 |
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| 【読み】 |
| 人家(じんか)星散(せいさん)す 水の中央 十里に芹羮(きんこう) |
| 菰飯(こはん)香(かんば)し 想い得たり薫風 端午の後(のち) |
| 荷花(かか)の世界 柳絲(りゅうし)の郷(きょう) |
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| 【意味】 |
| 人家は水郷の中央に星のように散りばっている。辺り一面 |
| セリの吸い物とマコモの飯の好いにおいだ。穏かな初夏 |
| の風の吹く端午の節句の後の情景を想えば、ハスの花 |
| の咲き乱れる世界となって、柳の枝が枝垂れている郷 |
| となっていることだろう。 |
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| *星散…星のように散りばっているようす *芹羮…セリと肉を |
| 混ぜて煮込んんだとろみのある吸い物 *菰飯…マコモの実 |
| を炊いたご飯 *想得…~を想えば *薫風…穏かな初夏 |
| の風 *柳絲…柳の枝の枝垂れる形容 *蓮蕩…ハスの花 |
| の咲いている沼 |
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| 【出典:臨平の蓮蕩過ぐ 楊万里(南宋)】 |
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