| 亀鶴年寿齊 羽介所託殊 種種是霊物 相得忘形躯 |
| 鶴有冲霄心 亀厭曳尾居 以竹両附口 相将上雲衢 |
| 報汝慎勿語 一語堕泥塗 |
| 【読み】 |
| 亀鶴(きかく)年寿(ねんじゅ)齊 (ひと)しきも、羽介(うかい)託する所 殊(こと) |
| なる。種種 是れ霊物(れいぶつ)。相い得んや 形躯(けいく)を忘るるを。 |
| 鶴には有り 冲霄(ちゅうしょう)の心。 亀は厭(いと)う曳尾(えいび)の居(きょ) |
| 竹を以て両(とも)に口に附(ふ)し、相い将(ひき)いて雲衢(うんく)に上がる。 |
| 汝(なんじ)に報ず 謹んで語る勿(なか)れ。一たび語れば泥塗(でいと)に |
| 堕(お)ちん。 |
| 【意味】 |
| 鶴と亀は寿命(ながいき)は同じだが、羽と介(こうら)では身を寄せるところ |
| が違っている。それぞれめでたい動物だが、自分の体を忘れることができよ |
| うか。鶴には空に舞い上がろうとする気持ちがあり、亀は尻尾をひきずる泥 |
| の中の住まいをきらう。竹を二羽の口のくわえ、亀を運んで雲の通い路に |
| 上った。お前に告げる、慎んでしゃべることがないように。ちょっとしゃべると |
| 泥の中に堕ちるぞよと。 |
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【出典】蜀素帖 擬古(ぎこ) (宋・米芾)
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